swift. silent. deep
「敏速に、静かに、深く」
以前から気になっていたスキー・ドキュメンタリー作品「swift. silent. deep」を最近になってようやく観ることができました。
この場であらためて触れるまでもなく、Jackson HoleはUtah、Tahoe、Coloradoと並んでFree Skiingの故郷のひとつであり、この作品の題材であるJackson Hole Air Forceは、Jackson Holeにおけるアンダーグラウンド・シンジケートといった存在です。
1960年代から現在に至るJ.H.A.Fに関わりのある面々が実際に登場して、いかに自分たちがラディカルであったかを語ります。
特に、第2世代を代表するDoug Coombs等がAlaska Valdezの開拓に携わって行くくだりはとても興味深く観ることができました。
言ってみれば、ロープをくぐって滑りまくる無法者の集まりなわけですが、紆余曲折はあったにせよ、ある意味ではローカリズムの極致というか、幸せに結実した形なのかもしれないと感じました。
ニセコや白馬のローカルが観たらどんな感想なのか、個人的にとても興味があるところでです。
発売時期が遅かったこともあり、なかなか手に入りづらいDVDなのですが、これだけの作品が埋もれてしまうのは非常にもったいないので、EBIS films. web storeで取り扱わせていただくことになりました。
北米のローカルスキーヤーたちがいかに本気で滑っているか、ぜひご覧下さい。
それにしても、「swift. silent. deep」ってまさに言い得て妙ですね。
VIDEO
Best of the festival
気がつけば、もうすぐ1年の半分が過ぎようとしているこの時期に今年初めての更新です。
この冬は新しい作品を来る秋に発表するべく、撮影を続けてきました。
深雪だけでなく春雪での撮影も行い、あとは立山での撮影とインタビュー収録を残すのみです。
この作品に関しましては、これからゆっくりと詳細をお伝えして行こうと思います。
ところで、表題にある通り、2月にカナダ Fernieで開催されたFERNIE MOUNTAIN FILM FESTIVAL において「presence: 40 days in Greenland」がBest of the Festival つまりグランプリを受賞しました。
TellurideやBanffのような大きな映画祭ではありませんが、それでもグランプリ受賞は非常に嬉しく思います。
cold frame
各方面で絶賛されている樋貝吉郎氏の写真集「cold frame」。
1ページめくるのに永い時間が必要で、いつのまにか息を止めて写真に魅入っていました。
幸いにも、収録されているいくつかのカットのその現場に居合わせていた僕にとっては、そのときに樋貝さんが感じていたことをほんの少しだけうかがい知ることのできるセレクションです。
ふだん、あまり写真集に馴染みのない方も、ぜひ。
studio fish i web store
Best Mountain Sport Film 受賞
映画祭に関するトピックが続きますが、去る11月6、7日に開催されたWilliamstown Mountain Film Festival にて2003年のGreenland遠征を題材にした作品「presence: 40 days in Greenland」が「Best Mountain Sport Film」を受賞しました。
sender filmの「sharp end」やsweetgrass productionの「signaures」などがエントリーされている中での受賞なので、非常に光栄です。
講評によれば、filmingとstory lineへの評価が高く、またすべての行程が動力を使わず人間の力だけで行われていることが内容をさらに素晴しいものにしている、とのことでした。
それにしても、本当にたくさんのMountain Film Festivalがあるのだと実感しています。
一つの映画祭でファイナリストに選考されると、世界中から次々に参加の誘いが届きます。
こうして様々な映画祭に参加してみると、良い映画祭というのは主催者の姿勢、開催する街全体の関わり方など、決して規模が大きければ良いというものではないのだと感じます。
残念ながら日本にはMountain Film Festivalは一つも存在しません。
いつの日か日本で良質の映画祭を運営してみたいものです。
Banff Mountain Film Festival 2009
Banff Mountain Film Festival2009に参加してきました。
雪関連の作品を集めた「snow show」のみの上映だと思っていたのですが、週末のメインプログラムでも上映されて、少々驚きました。
たぶん4分足らずの短編であることと、日本からの参加ということでプログラムが国際色豊かになるから、という2つの理由からだったのではないかと思います。
日本でも話題の「signatures」がバンフでも好評でした。(gentemstickは北米では「ジェンテンスティック」になってしまうんですね)
期間中に開催されたAdventure Filmmaker Workshopにも参加したので、大忙しの1週間でしたが、得るものも多かったように思います。